再発しにくい根管治療『抗菌性根充法』
根っこの治療は、歯の根っこの部分を大きくくり抜いて神経を取り、そこにゴムと補強材を詰めて被せ物をする治療法です。
森嶋歯科医院では、再発しにくい根管治療『抗菌性根充法』を行っています。
根っこの治療は、歯の根っこの部分を大きくくり抜いて神経を取り、そこにゴムと補強材を詰めて被せ物をする治療法です。
森嶋歯科医院では、再発しにくい根管治療『抗菌性根充法』を行っています。
通常、虫歯が進行して神経まで到着すると痛みが出るようになります。
神経が炎症を起こし、腫れるためです。虫歯は初期の段階では痛みがありません。
痛いと感じるようになったら、かなり進行していると考えていいでしょう。
ここまで症状が進行している場合、神経を抜くことになります。
歯の中の神経のみ取りますので、骨の部分の神経などは残します。このため、神経を抜いても痛むことがありますが、これは骨の中の神経が残っているために起こります。
治療は麻酔をかけて歯に穴を開け、針のような器具で神経を抜きます。
神経を抜いた後は2∼3回通院し、薬を詰めて被せ物をして完了です。
そして、一度根管治療を行った菌の再治療は、さらに根の部分をくりぬく必要があるため難しくなります。
また、さらに歯を弱めてしまうことになり、最終的に抜く必要が出てきてしまうのです。
一度神経を抜いてしまった歯は、菌が繁殖しやすく再発する可能性があります。
当院では、神経を抜いて弱ってしまった歯を、それ以上傷めることなく再発もさせない治療法、『抗菌性根充法』を取り入れています。
私の専門は口腔外科で、博士号を歯根尖切除術の研究でとりました。
その関連で専門外の根管治療の方法も動物実験で研究していました。
なぜならば研究中、一番苦慮したのは切除した根尖部が感染状態(根尖病巣)になることだったからです。
完全に根管内を充填したのにかかわらず根尖部が感染状態になることが、切片標本を顕微鏡で見て確認されたときは、本当に驚きました。
歯学部で教育された根管充填では、顕微鏡下で見ると感染状態になってしまうことがわかりましたが、どうしたら感染を予防できるかわかりませんでした。
完全滅菌した手術室なら可能でしょうが、動物実験室は一般診療所並みの滅菌状態ですので完全滅菌は困難でした。
当初はラバーダムをしていないからだと思いましたが、ラバーダムの有無は関係ありませんでした。
その後、歯根尖切除術の研究をしながら根管治療の研究も行い、やっと対策方法を考え出しました。
何度も試行錯誤して苦労して発見した対策方法が、今の根っこの治療に生かされて患者様の診療の役に立っています。
買主に捨てられて屠殺される予定の犬達で実験させていただきましたが、今その技術が生かされていることで犬達の魂も救われると思います。
私は30年前、インプラント治療の術式が確立していない時代において、歯の再植・移植の研究もしていました。
根未完成歯の移植に関しては、良好な予後を得られました。
しかし根完成歯の再植・移植は、免疫反応が出現して予後不良でしたので研究を中止しました。
残念ですが現在でも技術的に無理があります。
その代りインプラントは、現代において優れた代用臓器です。
歯が失われても、適切に使用すれば歯同様の機能を回復できます。
インプラントは長期間の使用が可能ですので、他の歯に悪影響を与えずに噛むことができます。
抜歯してもインプラントで歯の代用が簡単に可能ですので、一生涯歯で噛むことの可能性は以前に比べて高くなりました。
私の学位は、根尖切除術 (および人工骨材)で25年前に授与されました。
根尖切除術とは、根尖病巣を外科的に外から除去する手術のことです。
根の先が化膿した場合、通常は根管内を薬剤で消毒することにより化膿を治療します。
しかし、治癒しない場合や根管治療が困難な場合に根尖切除術を行います。
歯によっては根尖切除術が困難な場合がありますし、根尖病巣が再発する場合もありますので、根尖病巣を起こさないことが重要です。
また、歯を抜いてインプラント治療をするほうが簡単ですが、患者様が一生涯自分の歯で噛んで老いを感じなくて元気に生活するためには、治癒が困難な歯でも、積極的に根尖切除術を含んだ高度な治療技術を活用して残すべきだと思います。