口腔内の金属は金属アレルギーの原因となり得ます
歯科治療では様々な金属による修復物を口腔内に装着する機会が多くあります。
それらの金属を大きく分けると5種類あります。
- アマルガム(水銀が含まれています)
- パラジウム合金
- コバルト合金
- 金合金
- チタン合金
この内、特に金属アレルギーの原因となりやすいのは「1」「2」「3」です。
1のアマルガムは高濃度の水銀が含まれており、他の国ではこれを使用することはまずありません。
法律で禁じられている国(スウェーデン・ドイツ)もあるくらいです。
2のパラジウム合金は、よく見かけるいわゆる「銀歯」です。
被せ物や詰め物、入れ歯の金具の部分にもよく使用されます。
パラジウム合金にはパラジウムの他にシルバー等も含まれています。
3のコバルト合金は入れ歯に主に使用されており、最近では一部被せ物にも使用されています。
薄く延ばせて硬く腐食にも強い金属ですが、こちらも金属アレルギーの原因となっていることが少なくありません。
4の金合金や5のチタン合金は比較的金属アレルギーが発症しにくいと言われていますが、これらは保険診療で扱う事は出来ません。
金合金では詰め物や被せ物、チタン合金は主にインプラントや入れ歯に使用されます。
金にしてもチタンにしても、金属アレルギーを起こしにくいというだけあって絶対に起こらないという保証は出来ないのです。
では、インプラントはしない方が安全?という議論に繋がりますが、ここは確率の問題でもあります。
インプラントにせずに、金属性のブリッジや入れ歯を入れた方が歯に負担はかかるし、金属アレルギーのリスクも増大するでしょう。
理想は一切の虫歯や歯の欠損を防ぐことですが、それを実現するには子供の頃からの予防処置に加えて定期的にメンテナンスを受ける習慣が絶対必須です。
今小さなお子様をお持ちの親御様がいらっしゃれば、2歳以降は必ず定期的に歯科検診を受けさせてあげてください。
そして、ご自身の歯に関してはリスクが少ない選択肢を可能な限り選んで下さい。