2007年11月20日
ガイダンス(善意の助言)
患者様からインプラントを無理に勧められた御話をたびたびお聞きします。
医療者としてガイダンス(善意の助言)を行うことが必要な場合がありますが、インプラントが優れた治療法とはいえ、患者様の外科手術に対する御気持ちや経済状態を配慮して強くお勧めすするものではないように思います。
私は、カウンセリングで患者様の御希望をお聞きしながら、コンサルテーションで義歯、ブリッジまたはインプラントの長所と短所をご説明した後、患者様と相談しながら患者様が治療法を決定することを援助しています。医療者は、患者様に意見を求められた場合のみ、ガイダンス(善意の助言)をすべきだと思います。
2007年11月19日
頭痛
毎日頭痛に苦しめられ20年来にわたって頭痛薬を飲みつづけた御婦人が、噛み合わせのバランスを取り戻したら嘘のように頭痛が消えて喜ばれました。
私が噛み合わせのバランスを調整しますと、ほとんどの方の頭痛が消えるか少なくなります。ですから頭痛の原因の95%以上は、噛み合わせのバランスが悪いためにおこる側頭筋、頭頂筋などの筋肉痛と考えています。頭痛が解消しない方の場合は、噛み合わせのバランス以外の脳腫瘍、大動脈瘤や脳梗塞などによる貧血や出血、過度のストレスまたは全身の歪み(腰痛・関節痛)などの関連痛が原因と思います。
頭痛は、外傷と違いまして外から症状が見えませんので、その苦痛を周囲の方が理解しにくいものです。頭痛で御悩みの方は、一度噛み合わせの調整を森嶋歯科医院ですることをお勧めいたします。
2007年11月18日
歯の神経を抜かないことが大切です。
歯を一生涯保つためには、歯の神経を抜かないことが大切です。歯の神経を抜きますと、歯が破折する可能性が将来出てきます。歯が破折しますと残せずに抜歯にいたることがあります。
深い虫歯ですと歯髄が腫れて痛みが出てきますが、森嶋歯科医院では腫れを抑える薬をつけて可能な限り神経を残す処置をしています。神経によっては細菌感染が著しくて化膿してしまい死んでしまう場合もありますが、患者様に歯の神経を残す重要性を説明した上で、とにかく残す方向で治療しています。
歯髄保護の重要性を教えてくださったのは、川村泰雄先生でした。歯が破折しますと残せずに抜歯にいたることは、臨床経験が25年経ちますと当たり前のことですが、15年前に川村先生に歯髄保護の重要性をお聞きするまでは実感できませんでした。卒業して10年間は、多くの技術を習得して臨床で熟練する時期で、残念ながら50年先の結果を予測して今何が最善の治療かを選択する臨床経験がありませんでした。
全ての先生に学ぶことは不可能ですので、優れた師匠に出会えてその師匠の経験を教えとして受けられたことは幸運でした。
2007年11月17日
小児歯科
子供の患者様の治療で大切なことは、歯医者嫌いにさせないことです。心を傷つけないことです。痛い治療をして歯医者が怖いと思ったら、大人になっても歯医者に行くのを敬遠して御口の健康を保てません。
歯科恐怖症の子供の患者様が来院された場合、4歳以上でしたら何とか治療できます。白衣を脱いで待合室の椅子から治療が始まります。ありとあらゆる手段を用いて徐々に馴染ませて、子供の患者様がここは安全な所だと思わせます。子供様がここは安全だと思ったら治療は成功です。
4歳以下は、感情で行動しますから治療が困難です。また、押さえつけて治療すればトラウマが生じて歯科恐怖症になりかねません。母親の責任として4歳までは、お子様の歯を守ってほしいものです。
2007年11月16日
歯牙移植・再植
25年前、日本製不良インプラントの除去手術をよく行っていました。そのため日本製インプラントの臨床データ-に疑問を感じて動物実験をしました。実験データ-は、良くありませんでした。
高価なブローネンマルク・インプラントタイプが国産化されるまで、とにかく歯を残す技術ばかり考えました。そのなかに完成歯の歯牙移植・再植の研究もありました。動物実験後に免疫による異物除去反応が出た研究データ-から、完成歯の歯牙移植・再植は臨床に応用できるものではないと思いました。
15年前までは、高価なブローネンマルク・インプラントタイプでしたので、年間約20本ほどの植立でした。その後は、国産インプラントでブローネンマルクの3分の1の値段で治療が可能になり、患者様にご紹介しやすくなりました。現在の植立数は年間約120本ほどになりました。
残念ながら抜歯にいたった場合でも、可能であればインプラントにて残った歯に負担をかけずに治療できるので安心です。