根尖病巣
根尖病巣の完全な治癒は、かなり困難と思います。しかし根尖病巣は、細菌感染ですので薬で消毒しますと回復可能になり、症状は軽減されて日常生活に支障のない状態になってきます。
先日、7ヶ月間も根の治療を続けてもよくならなかった方が来院されました。歯の痛みの原因は、根尖病巣ではなく噛み合わせでした。私が噛み合せのバランスを良くすると、痛みは軽減しました。しかしその歯には、根の治療に7ヶ月間もかけたために根尖病巣が出来ていました。根尖病巣の完全な治癒はかなり困難ですので、歯を一生涯使用するには残念なことでした。
診断技術の差により治療結果に大きな差が出てきます。25年前は誤りが多かった私ですが、今でも日々的確な診断が出来るように慢心することを戒めています。
顎関節症
顎関節症で高崎から来院した患者様に紹介者をお聞きしましたら、ネットで調べてホームページを見てこられたそうです。インターネットによる情報化社会が確実に患者様の「自己決定医療」を促進しています。現代は、患者様が自分に合った医療を選ぶ時代です。
以前は医療法により広告宣伝が規制されてきましたので、近隣の口コミ以外に各医療機関の情報はありませんでした。現在はインターネットにより情報が広域化していますので、患者様はいくつかの医療機関から自分に合った医療機関を選ぶことが可能です。
インターネットが存在しなければ、高崎の患者様と森嶋歯科医院の出会いはなく、顎関節症は癒されませんでした。そのことを考えますとインターネットの口コミは、困っている患者様にとって朗報といえます。
ブロッキング現象
ブロッキング現象とは、医療者が患者様の御話を聞こうとする時に、しばしば自分自身の頭で心のなかにそれを邪魔するものが生じてくるため、話のポイントが捉えられないことがあります。それをブロッキング現象といいます。
インプラントンの専門医の私は、特に患者様にインプラントの説明をする時に、専門医の意識が心をブロッキングして、患者様のお話が聞けないことのないように注意しています。インプラントの説明をする時は、患者様が必要とする情報をお伝えするべきであり、自己アピールは慎むべきだと思います。
医療者として患者様の話をよくお聞きすることの大切は充分に理解していますが、慢心することなく日々患者様の声に耳を傾ける診療を行いたいものです。
クリック音
口を開ける時に顎がガクガク音をたてることを「クリック音」といいます。顎関節症の特徴の一つですが、顎関節症のすべての患者様に出るものではありません。顎関節が痛んだ場合に音が出てきます。悪化しますと顎関節に痛みが生じて口が開けづらくなったりします。
顎関節に痛みが出る前にクリック音の症状の段階で噛み合せのバランスをとりますと、関節の状態が改善されクリック音が小さくなってきます。クリック音が消えなくても、噛み合せのバランスをとりますと音は大きくなりません。
顎関節症は、出来る限り軽症のうちに噛み合せのバランスをとりますと治ります。