大田区 上池台 歯科 歯医者 森嶋歯科医院

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東京都大田区森嶋歯科のブログ

院長ブログの記事一覧

2008年1月28日
舌の裂傷

 以前にかかった某歯科医院で舌を切られてから歯科医院に怖くていけなくなった患者様が来院されました。

 通常、歯を削る時に水が出ますのでどうしても舌が動きやすくなります。そのために舌を傷つける可能性がありますので、鏡などでガードする必要があります。

 この患者様は、歯科恐怖症で体が硬直して鼻呼吸が困難になり、どうしても口呼吸しがちなために、通常の水平診療の姿勢で歯を削ると舌を傷つけやすい方でした。しかし、顔を横に向けて喉に水がいかない立位診療の姿勢で削りますと、簡単に虫歯の処置が終わりました。患者様も非常に喜ばれました。

 

 大学病院時代、舌の裂傷のため救急車で運ばれてきた患者様の処置に初めて参加した時のことです。大学院1年生の何もわからないとき、たまたま研究室に遅くまでいて佐藤廣前教授(当時は助教授)に助手をするように命じられました。もたもたする私を怒鳴りながら半分切断された舌を手際よく縫合する佐藤廣先生の技術は素晴らしいのもでした。患者様も御無事でした。医療者の不注意による事故に関して、若かった私には良い教訓・警告でした

 

 治療中の事故に関しては、常に慢心することなく注意しています。そして、50歳の年齢になりましたので身体的にも精神的にも診療に当たっては、ベスト・コンデションで臨めるように心掛けています。

2008年1月25日
三叉神経痛

 根の治療を某歯科医院で6ヵ月も続けたのに痛みが取れなくてお困りの患者様が来院されました。どうしても痛みがとれなのでその歯を次回抜く予定になっていました。その歯を精査したところ、その痛みの原因が根尖の化膿ではなく三叉神経痛による疑いが強まりましたので、脳神経科の受診をお勧め致しました。脳神経科の受診の結果、三叉神経痛が原因の歯の痛みであることが判明しました。

三叉神経痛とは、顔が痛くなることから、よく顔面神経痛と誤って呼ばれますが、正確には三叉神経痛といいます。額、目、頬、顎そして歯茎が痛くなります。神経の走行は、三叉神経が脳から出た後、3つの枝に分れることから、三叉神経と呼ばれます。その3つの枝は、それぞれが三叉神経の第1枝、第2枝、第3枝と呼ばれます。第1枝は、額、目、鼻梁などの知覚に関与し、その出口は眉の付近にあります。第2枝は、上顎、頬、上口唇などの知覚に関与し、その出口は頬の上付近にあります。第3枝は、下顎、下口唇などの知覚等に関与し、その出口は下顎にあります。以上の枝に沿って痛むのが三叉神経痛です。第1枝の神経痛だと額や目が痛くなりますし、第2枝の神経痛だと上顎(うわあご)の歯や頬が痛くなります。第3枝では下顎(したあご)や下顎の歯が痛くなります。三叉神経痛には2通りあります。一つは瞬間的に痛さが訪れるもの、もう一つは痛さが持続的であるものの2つです。前者の場合、御飯を食べるとき、会話をするとき、歯を磨く時などに瞬間的に激痛が走りますし、後者の場合慢性的な鈍痛が広範囲に続きます。

 

この患者様の歯は、危うく抜かれるところでした。診断に当たっては、先入観に捕われずに患者様の訴えに耳を傾けて、広範囲に症状を捉えて精査する必要を痛感させられました。

2008年1月22日
歯周病

 歯周病は歯の表面につくプラーク:歯垢(細菌の塊り)によっておこる歯肉炎(歯肉の炎症による出血、腫れ)と、歯周炎(歯肉が化膿して歯を支えている歯槽骨が破壊される)の総称です。

森嶋歯科医院では、歯肉炎にはプラーク:歯垢(細菌の塊り)を日常の手入れで取り除く方法を患者様のお伝えしています。歯周炎には、歯を残すために化膿を止める治療をしています。

 

歯周病で歯を抜いて入れ歯になったら食事の時にうまくかめず困っていた女性の方が来院されました。 入れ歯は「義歯」といいますが、義手や義眼のように本物の器官ほどの性能はありません。やはり御自身の歯で一生涯にわたって快適に食事を楽しむためには、歯を残すことを優先すべきです。安易に大切な歯を抜くべきではありません。

 

 森嶋歯科医院では患者様が御自身の歯で一生涯にわたって快適に生活することを目標に日々診療に携っています。一本でも歯が抜ければ、その噛んでいた圧力は他の歯にかかってきて、他の歯の寿命も短くなります。ですから出会った患者様から安易に歯を抜かれて御話をうかがいますと残念でなりません。

2008年1月18日
歯を削る時のキーンという音

多くの方がキーンという高速音に嫌悪を感じます。歯科で治療する時のキーンというタービンの高速音は、過去の治療における痛みを連想させますので嫌なものです。

 患者様から音のしない治療を御希望されました。完全に無音で削ることは出来ませんが、シューと言う低音で削る機械があります。森嶋歯科医院では、主に子供用に使用しています。試みにこの患者様に使用しましたら、恐怖が和らいだそうで治療がらくだったと喜ばれました。

機械の性能には限界があります。しかし、迎える側の心遣いに限界はありません。可能な限りの配慮をした診療を心掛けたく思います。

2008年1月15日
早期接触

 治療後に何となく噛みづらいことに不安を感じている患者様がいらっしゃいました。バイラテラル法にてかみ合わせのチェックをしてみますと、入れた金属に早期接触がみられました。

 早期接触とは、中心位(顎関節が最も安定した位置)と咬頭嵌合位(顎関節の状態に関係なく上下顎歯牙が最大に接触する位置)との間の不調和(ズレ)のことです。この早期接触を除去しますと、噛みづらさがなくなりました。このまま早期接触を放置しましたら、将来顎関節症を発症したと思われます。

以前の私にとってかみ合わせに関する知識は、口腔外科が専門でしたので川村泰雄先生に出会う前は大学教育レベルでした。何も知らないのに等しいものでした。川村先生に教えられて治療技術のレベルが上がり医原病を引き起こさずに済んできましたのは幸いでした。究極の治療法などはありませんから、現在に慢心することなく今後更なる治療技術のレベルを上げたく思います。

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