2009年3月11日
今使用しているインプラントに関して
こんにちは、Dr.森嶋です。
今回は、今使用していますインプラントに関して書かせていただきます。
実は16年前、インプラント治療は劇的な変化を迎えました。それは、骨とチタンが強固にくっつく「オステオインテグレーション」の考案です。先ほど述べた〝旧式〞のインプラントに対して、「オステオインテグレーション」の考え方はまさに〝新式〞のインプラントの台頭でした。「オステオインテグレーション」の概念がインプラントに取り入れられて、今のインプラント治療は飛躍的によくなったのです。
〝新式〞のインプラントは、円筒形の筒型インプラントで、材質はチタン製です。表面にハイドロキシアパタイトのコーティングが施されているものもありますが、基本はチタン製で、表面にネジが切り込まれています。この円筒形のチタン製のネジ式インプラントは、一度しっかりと骨とくっつくと、長期間安定して、噛む力を負担することができます。
「インプラント治療が、これから歯が抜けた場合の、一番すぐれた方法になる!」 私のインプラントに対する否定的な考えを変えるきっかけをくださった、あの患者さまの言葉に後押しされて、私は数々のインプラントのセミナーや、講演会に積極的に参加するようになりました。 同じ頃、日本最大手のインプラント会社である京セラが「POI」と呼ばれるシステムを開発
しました。(※POIインプラント…日本人のために日本人が開発した〝新式〞のインプラントシステム。数多くのバリエーションを有しており、骨が痩せている方にも適しています。日本で最大の本数を誇るインプラントシステム。)その評判がすごくよかったので、私は数回、セミナーで勉強して、当院にまずこの京セラ(今は統合してJMMという会社に変わった)のインプラントを導入することに決めました。
2009年3月 2日
私にインプラント治療を積極的に再開させた「感動」
こんにちは、Dr.森嶋です。
今回は、私が16年前にインプラント治療を積極的に再開するきっかけになったある「感動」をお話しいたします。
数々の〝旧式〞のインプラントの失敗を見てきた私は、なかなか自分からインプラント治療を行う勇気がありませんでした。しかし、私はある経験=「感動」から、インプラント治療に対する思いが180度変わったのです。
それは今から16年前、ある患者様のインプラント治療を通した経験でした。その方は、30歳代後半の女性の方で、上顎前歯がありませんでした。ブリッジの治療も無理な状態で、入れ歯も入れていませんでした。歯科恐怖症の患者様で、最初は奥歯の虫歯の治療をさせていただきました。その患者様が、私に上顎前歯インプラント治療を希望されました。歯科恐怖症で、やっとの思いで奥歯の虫歯の治療をした患者様に、インプラント治療を何度も熱心に依頼されました。そこで私は、彼女の熱心さに負けてインプラント治療を再開することにしました。それは、同じ頃、日本最大手のインプラント会社である京セラが「POI」と呼ばれるシステムを開発し、そのインプラントは私が大学院の時に研究したカルシュウムを皮膜した新型インプラントでしたので、非常に期待していました。そこで彼女の了承の下、インプラント治療を再開しました。
6ヶ月後、治療は成功して彼女は自分の歯を取り戻しました。その彼女自身から、勇気を振り絞って歯科恐怖症を乗り越え、インプラント治療を決意した理由を話して下さいました。
『先生、私は結婚して8年になりますが、子供を作る気になれませんでした。それは、子供に「どうしてお母さんの歯は無いの?」と聞かれるのが怖わかったからです。子供好きの夫には申し訳ありませんでした。でも先生に偶然お会いして、森嶋先生だったらインプラント治療により私の歯を蘇らせて下さる、そして子供を抱けると希望をもちました。ありがとうございました。』その一言が、私を非常に感動させました。初めて、歯医者になってよかったと思いました。その彼女は、一児の母親として今幸せに暮らしています。
失われた歯を蘇らせることが、その人の人生をも蘇らせることを教えられて私自身にもインプラント治療をする勇気が出てきました。次回から、インプラン治療の細部に関して書かせていただきます。
2009年2月18日
25年前から8年間,インプラント治療から遠ざかっていた理由
こんばんは、Dr.森嶋です。
前述の通り、私の専門は口腔外科、インプラントの学問です。大学で、私はインプラント治療の教育を受けました。
しかし、今から 年前の大学病院の口腔外科では、インプラントの手術と言えば、インプラントを入れるのではなくて、インプラントを除去する、取り外すことが多かったのです。
せっかく入れたインプラントを何らかのトラブルから取り去らなければならなくなった方の治療を、当時の大学病院では延々と行っていたのです。そんな症例を日々目の当たりにしていた私は、インプラントって怖い!」「インプラントは失敗すると大変だ!」そんな思いを強く持つようになってしまったのです。
先輩の開業医のもとでも、多くのインプラント治療をみる機会がありました。開業医がその当時行っていたインプント治療では、「ブレードタイプ」という平べったい板状のインプラントや、「サファイヤインプラント」という金属ではなく透明なインプラントをよく使用していました。また、「形状記憶合金インプラント」という、熱を加えると板状のインプラントが左右に開いて骨にがっちりと食い込むタイプのインプラントもありました。しかし今では、そのようなインプラントは、診療室でもほとんど目にすることはありません。この年間でそれらの〝旧式〞のインプラントは、ほとんど取り去られてしまったのです。では、今のインプラント治療は実際どうなのでしょうか?インプラント治療とは、今でもそんなに失敗が多かったり、予後が悪かったりするものなのでしょうか?
次回は、インプラントから8年間遠ざかっていた私が、今一度インプラント治療に立ち返る切っ掛けとなった出来事に関して書かせていただきます。
2009年2月 9日
私のインプラントとの出会い
まずは私のインプラントとの出会いですが、25年前口腔外科医局で初めてインプランを実際に見ました。 私は昭和33年に栃木県で生まれ、歯学部へと進み、大学卒業後、歯学部大学院に在籍して、口腔外科といって、歯を抜くことや、インプラント手術専門の教室で学び研究していました。
その当時インプラントは歯の代用臓器として期待されましたが、25年前のものはまだまだ臨床成績が不安定で研究開発中でした。インプラントの研究をしながら、先輩の歯科医師の先生が行うインプラント治療を見学していましたが、私自身のインプラント治療に対する否定的なイメージはなかなか拭うことができませんでした。
なぜ私は、25年前のインプラントに否定的だったのでしょうか?
その理由を次回に書かせていただきます。
2009年1月29日
インプラント治療に不安を持たれている方へ
こんにちは、Dr.森嶋です。
この文章を読まれている方は少なからず、インプラント治療に興味を持たれていると思います。
「インプラント治療って最近よく聞くけど、実際どうなの?」
「よいって言う人と、よくないって言う人がいて、どっちが本当かわからない!」
いろいろな不安や心配、そして少しだけ期待が入り混じった心境でしょうか?
それもそのはず。インプラント治療は外科的な処置を伴いますし、多くの場合、治療費が高額になることが多いので誰でも失敗したくないと思われるのは当然です。
実際、インプラント治療を「やってよかった」と言われる方がいる一方で、「止めた方がいい!」と言われる方もいます。一体どちらを信じればよいのでしょうか?実は、どちらの答えも本当なのです。どうして、どちらも本当だと言えるのでしょうか?
また、こんな質問もよく耳にします。
「インプラントで失敗しないコツってあるのでしょうか?」
はい、あります。
インプラントで失敗しないためには、まずはあなた自身が、今のインプラント治療について正しい知識を持つことが大切です。
そういった疑問にお答えすることで、あなたの不安を取り除くことができれば、という思いを込めて私はこの文章を書きました。
これから何回になるか分かりませんが、インプラント治療に関する正しい知識をかかせていただきます。
私は今まで 16年間インプラント治療を進めてきて、既に400名以上、700本以上のインプラントの施術を行ってきました。そんな私ですが、実は16年前まではインプラントに対してかなり否定的な考え方を持っていました。ところが、その考えを180度変えることになる出来事があったのです。
次回から、そのことについて書かせていただきます。