2015年10月 4日
親知らずは抜くべきか?
33年前、大学の口腔外科に入局した私は、先輩の先生方に「親知らずは抜くべきかどうかを」質問しました。(親知らずは、第3大臼歯のことで18~30歳くらいになって生えてきます。)残念ながら臨床的データーに基ずくお答えはありませんでした。そこで、私自身で経過を診てみようと右側上・下は抜歯して左側は残してみました。その後、31年経ってとうとう左上の親知らずは虫歯の為に抜歯になりました。その結果分かったことは、上の親知らずは抜かなければならなくなる確率が高いということです。
下の親知らずは、今までに約3000本ほど抜歯しましたが、3例ほど麻痺が出ました。幸い3か月ほどで麻痺は治りました。ですので、よほどの理由がない限り下の親知らずは、抜歯すべきではありません。下の親知らずには、様々な問題がおこる可能性がある為に事前に抜いてしまったほうが良いという安易な考え方がありますが、それは誤りです。医療行為は安全第一に行うべきです。
親知らずを抜くと、もの凄く痛い!というイメージがあると思います。しかし私の場合、上の親知らずを約7000本抜きましたが、痛みを訴えた方は3名です。処置中は痛みもなく、約1秒くらいで簡単に抜けます。(ちなみに、下の親知らずは、実際顔が腫れるような状態になるのはごく一部のものです。)
2015年9月13日
口腔常在菌の全身に対する悪影響
虫歯や歯周病の原因菌の口の中の細菌が、糖尿病、心臓疾患、早産、生活習慣病に深く関連しているという報告も多数なされています。つまり歯の病気というと、口の中だけの問題と捉えられがちですが、本来は体の全身の状態と密接に関連しています。
例えば、よく親知らずが腫れてきたり、歯が化膿して痛みが出ている人に「最近、体調はどうですか?」「きちんと眠れていますか?」と質問してみると、「実は風邪をひいています。」「仕事が忙しくてほとんど眠れていません」という言葉が返ってきます。虫歯や歯周病は細菌感染症です。細菌と体は常に戦っています。抵抗力が強い時には、細菌からの攻撃を防ぎ続けていますが、睡眠不足だったり、風邪をひいたりして、抵抗力が下がると一気に細菌の勢力が強くなり、体が負けてしまいます。親知らずの周りや歯周病や虫歯の歯の周りには凶悪な細菌が沢山いますから、それがここぞとばかりに攻めてくるため、腫れたり痛くなったりしてしまうのです。
また、口の中から、管を通して触れるところは全て体の外側です。ですから、口の中、胃の中、腸の中には細菌が沢山存在します。ただし、血管の中や肝臓や心臓の中は体の内部であり本来細菌が一匹も存在してはいけない場所なのです。それが歯周病菌を放置したままにしておくと、歯茎の中の血管から歯周病菌が侵入し、体の内部に侵入してしまうことがわかっています。バージャー病という足の指先が壊死してしまう病気の血管のなかにも歯周病菌が沢山いたそうです。口は体の入り口です。お口の中の管理がしっかりしていないと、さまざまな病気を発症してしまいます。歯のためだけではなく、体全身の健康のためにも、お口の中の細菌のコントロールは大切なのです。
2015年9月 5日
大田区・上池台の歯医者が教える健康・疲れない体作り[1]
56歳の私事ですが「40代 慢性下痢・腰痛・高血圧・1年に風邪を2回ひく・高コルステロール血症・・・」⇒「50代 快便・快調・風邪知らず・健康診断で褒められる」と、50代の方が元気です。
皆さんもご存知でしょうが、取り組んだことは、「腸内善玉細菌の増殖」「インナーマッスルの強化」です。
いたって方法は簡単ですが、コツがあります。
インナーマッスルの強化」法のコツは、「丹田呼吸法」と「片足立ち」です。
(これは通勤形態が違うと皆様の参考にならないかもしれませんが、一応お伝えします。)
往復約3000歩中の通勤時に、階段を使うのと大股・早歩きをしましたが、筋力強化にはなりません。
毎日の診療で疲れ切り、運動時間の取れない私は、通勤時間に行える他の方法を探しました。
最初は、重りをつけたり、スクワットをしましたが、膝に負担が来て長続きしませんでした。
そこで気づいたのが、膝に負担のこないで疲れない「丹田呼吸法」と「片足立ち」の応用でした。
今は、 電車内で「丹田呼吸法」約200回、電車待ち時間に「片足立ち」と「スクワット=曲げたら動かさない」を約10分です。
これはかなり効きます。基礎体温が上がり体が軽く感じています。
まだまだ運動量は不足していますので、何か良い工夫はないか探しています。
診療時間=運動時間をいろいろ試みましたが、今のところうまい方法はありません。
「腸内善玉細菌の増殖」の効果が出るのにもコツが要りました。
このコツも重要です。
次回から、このコツに関しまして、「初級編・中級編・上級編」に分けて内容をお知らせします。