【院長ブログ】要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T(R) )に関して
こんにちは、Dr.森嶋です。
今回は、当院で消毒に用いている「要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T(R) )」に関して報告します。
5月30日NHKの報道で「次亜塩素酸水」のコロナウイルスに対する有効性が不安視されました。以前より当院では、「次亜塩素酸水」以外の「要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T(R) )」含有「A2Care」も使用して院内消毒をしてきましたので、報道を受け6月1日から次亜塩素酸水の使用を一時取り止め、二酸化塩素水に全面的に切り替えました。
要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T(R) )に関しては、大阪大学で革新的酸化剤である「要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T(R) )」のメカニズム解明・応用化研究を進め、昨年9月から独立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究成果展開事業産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA/代表:井上豪 薬学研究科教授 )によって実用化研究を進めています。
このたび、研究グループはMA-T(R) が「新型コロナウイルスに対しても1分間の接触試験で有効に消毒できる」ことを確認しました。詳細な消毒の効果は、今後の実験においてさらに検証される予定だそうです。
MA-T(R) は、株式会社エースネットが17年の歳月をかけて開発した除菌・消臭剤のシステムで、ANA、JAL、PEACHなど日本のほぼ全ての航空機で採用され、多くのホテルでも利用されています。羽田国際線ターミナルの100ヵ所以上のトイレでは除菌・消臭を目的に噴霧も行われているそうです。
これまでに、MA-T(R) の消毒効果については、0.01%含む水溶液が、2002年、2012年にそれぞれ流行したSARSコロナウイルスおよびMERSコロナウイルスに対して有効に消毒できることが同じく松浦教授によって実証されていました。新型コロナウイルスに対しての効果も明らかとなり、医療現場における二次感染の防止のほか、マスクや防御服に対しても消毒して直ぐに使うことのできる液剤として役立つことが期待されるとのことです。
当院では、最新の情報を基に患者様の安全第一に消毒を行い、安心して受診できる体制作りに取り組んでいます。