【院長ブログ】私にインプラント治療を積極的に再開させた「感動」
こんにちは、Dr.森嶋です。
今回は、私が16年前にインプラント治療を積極的に再開するきっかけになったある「感動」をお話しいたします。
数々の〝旧式〞のインプラントの失敗を見てきた私は、なかなか自分からインプラント治療を行う勇気がありませんでした。しかし、私はある経験=「感動」から、インプラント治療に対する思いが180度変わったのです。
それは今から16年前、ある患者様のインプラント治療を通した経験でした。その方は、30歳代後半の女性の方で、上顎前歯がありませんでした。ブリッジの治療も無理な状態で、入れ歯も入れていませんでした。歯科恐怖症の患者様で、最初は奥歯の虫歯の治療をさせていただきました。その患者様が、私に上顎前歯インプラント治療を希望されました。歯科恐怖症で、やっとの思いで奥歯の虫歯の治療をした患者様に、インプラント治療を何度も熱心に依頼されました。そこで私は、彼女の熱心さに負けてインプラント治療を再開することにしました。それは、同じ頃、日本最大手のインプラント会社である京セラが「POI」と呼ばれるシステムを開発し、そのインプラントは私が大学院の時に研究したカルシュウムを皮膜した新型インプラントでしたので、非常に期待していました。そこで彼女の了承の下、インプラント治療を再開しました。
6ヶ月後、治療は成功して彼女は自分の歯を取り戻しました。その彼女自身から、勇気を振り絞って歯科恐怖症を乗り越え、インプラント治療を決意した理由を話して下さいました。
『先生、私は結婚して8年になりますが、子供を作る気になれませんでした。それは、子供に「どうしてお母さんの歯は無いの?」と聞かれるのが怖わかったからです。子供好きの夫には申し訳ありませんでした。でも先生に偶然お会いして、森嶋先生だったらインプラント治療により私の歯を蘇らせて下さる、そして子供を抱けると希望をもちました。ありがとうございました。』その一言が、私を非常に感動させました。初めて、歯医者になってよかったと思いました。その彼女は、一児の母親として今幸せに暮らしています。
失われた歯を蘇らせることが、その人の人生をも蘇らせることを教えられて私自身にもインプラント治療をする勇気が出てきました。次回から、インプラン治療の細部に関して書かせていただきます。